2013年10月17日

避難勧告

台風26号による土砂災害で多くの被害者を出してしまった伊豆大島。
「なぜ、大島町は避難勧告を発令しなかったのか」
報道で取り上げられているようですが、難しい問題だと思います。

京都、滋賀、福井を襲った、9月中旬の台風18号のときも、
「なぜ、大雨特別警報を市民に周知しなかったのか」
京都府と滋賀県の一部の市、町が非難されたばかりです。
当時も大島町と同様に「夜間避難に伴う住民の混乱と危険」が、
非難された市、町の言い訳というか、申し開きとしてありました。

夜中だったのか、朝方だったのか知りませんが、確かに寝ている時に、
「ただちに、自分の命を守る行動を取ってください」
「ただちに、避難行動を取ってください」
この連呼で目を覚ますことになったら、パニックというか混乱をきたします。
「なんだ、なんだ。一体、何が起きているんだ」 慌てふためくことでしょう。

かと言って、避難状況の説明をだらだらされても、
「皆様、こんばんわ、と申しましょうか、お早うございます、と申しましょうか、
ご就寝中にお騒がせしまして大変申し訳ありません。
この雨で川の水位が、ちょっと危険な状況になってまいりました。
市の職員の中には、まだ大丈夫だという意見も少なからずあり、
この段階で避難を勧めると、あとから皆様から必要なかっただろう、
そんなご意見をいただくことになるやもしれません。
ですので、皆様におかれましては、避難されるか、あるいは避難の準備を」
状況の詳しい説明を車の拡声器から聞かされても、
車は移動しているので、一部しか聞き取れないかもしれません。
防災無線で、こんなまったりとした口調の説明をされても聞く耳をもたないでしょう。


避難の指示を出したら出したで、
結果論として、避難する必要もなかったのに、いたずらに市民の不安を煽った。
出さなかったら出さなかったで、
結果論として、避難を呼びかけていたら、こんなに多くの被害は出なかった。
行政の判断は難しいと思うのです。
タイミングの問題もあります。「なんでもっと早く出さなかった」という声もあがります。

今後、市町村の対応として傾向的に、
市民から、避難する必要なんかなかったと後で小言を言われることになっても、
万全を期したということで、いち早く非難を促した方が風当たりが少なく済む。
そんな形になっていきそうな気がします。
そうなると、市民は雨が降るたびに避難準備で大忙しになることでしょう。


伝える相手が身内で、実際に危険が差し迫っている状況だったら、
「起きろ! すぐ逃げろ!」
「何も聞かずに、すぐ逃げろ!」
土砂崩れがおきそうだとか、川が氾濫したとか、テポドンがこっちに向かってるとか、
そんな状況を説明する時間さえ惜しいという場合、
こうするべきなんでしょうし、こう言うのが普通だと思います。
しかし、家族だから伝わることなのかもしれません。
この人は、私の命の安全を第一に考えてくれている。
そんな信頼関係があるからこそ、素直に従ってくれるのかもしれません。
同じ言葉を行政機関が使えるかどうかは分かりませんが、
「どうせ後から文句を言われないように、早めに避難しろって言ってるんじゃないの」
そう捉えられてしまう部分もなきにしもあらずです。
こういう捉え方をするヤツが、逃げ遅れて迷惑をかけているんでしょうけれど。



さて10年ほど前、地震の直後に実際にあったテレビの報道なんですが、
まず、アナウンサーの表情というか気配ですが、非常に落ち着いていました。
落ち着いているってことは、テレビを見ている我々を安心させてくれるわけです。
「津波の到達が予想されます。津波は約5分後に到達する予定です」
津波って言葉を使ったけれど、慌てなくていいですからね。
あえて、淡々とゆっくりと言っている姿が、視聴者を一層落ち着かせます。
「お〜い、母さん。津波が来るんだってよ。テレビで言ってるぞ」
食器を洗っている奥さんも、そのご主人の言い方から、
大したことはないなと察するわけです。
「あらま、それは大変ですね」
台所から臨むことができる海の方をチラッと見ながら返事したのでしょう。
そのアナウンサーが、次に言ったのは、
「5分後に到達が予想される津波の高さですが、高いところで約50mと予想されます」
まるで、「明日の天気は曇りでしょう」くらいのトーンでしたので、
テレビを見ていた皆様は、相当に面喰らったと思います。
実際私も、聞き間違えたのではないかと思いました。
しかし、アナウンサーは相変わらずの落ち着き払った口調で繰り返したのです。
「海には近づかないでください。津波の高さは、高いところで約50mと予想されます」
まちがいない! 確かに、50メートルと言った!

この後すぐに、50センチメートルの誤りでしたとの訂正があったのですが、
50メートルと2度も言われた、沿岸に住んでいる方たちは、
訂正されるまでの、ほんの一瞬をどんな気持ちで過ごしたのでしょうか。


会津若松は津波の心配はないし、山に囲まれているから台風の被害も少ない、
今のところ竜巻の発生もないし、住むぶんにはいい所なんだなと実感させられます。

大島で行方不明となっている方、早く生存という形で発見されればと願っています。
posted by 貞吉 at 21:21| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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