2008年07月07日

あだ

「よっちゃん、ありがとう。
僕たちは、ガソリンが高くなったり、パンが高くなったり、
魚を取る人たちがストライキをやったりしたのを知ってます。
僕のパパも最近、お給料が減ったみたいで、よくママとケンカしてます。
僕たちだって、後になって気が付いたんだけど、
お菓子のうまい棒はいつのまにか短くなってたし、
蒲焼き太郎も、巧妙に小さくなってました。
そんな中で、よっちゃんだけは値上げもしないで、
中味もそのまんまで、本当に感謝してます。
これからもたくさん食べますので絶対に頑張ってください」

値上げラッシュの中、駄菓子のよっちゃんイカが注目されています。
この会社は量を減らすこともなく、値上げをすることもなく、
「子供たちを悲しませたくない」との思いから、
看板商品のよっちゃんイカを、売れば赤字になることを承知の上で、
現状維持のまま販売し続けているのです。
その企業姿勢が、あちこちから賞賛を浴びているらしいのです。


しかし、もうけのない商品を売るというのは大変なことだと思います。

「あんた、よっちゃんイカの会社の人かい。しかし、あんたらは偉いね」
「いやぁ〜、子供たちも大人と同じで、財布事情が厳しいでしょうから」
「そこまで考える企業なんて、今時、どこにもないよ。すごいよ」
「いえいえ、今まで買ってくれてきた子供たちですから、裏切れません」
「そこが偉いっていうんだよ。久しぶりに胸がすく話で、感動しちゃったよ」
「いえ、当然と言えば当然のことをしているだけですから」
「よし。応援したいんで、よっちゃんイカを毎日買うことにするよ」
「いえいえ、そんな。気持ちだけでじゅうぶんですから」
「気にしなくていいって。ビールのつまみにするんだから」
「いえいえ、あくまで子供の駄菓子ですから。酒の肴はまた別の」
「職場の仲間にも、是非、買って応援してやれって言って回るから」
「いえ、本当に、あの、そんなこと、………やめてください」

1ケース売れれば1円の儲けとか、わずかでも利益があればいいんでしょうけど、
1袋売れるごとに何円かの赤地、つまり損をするとなると話は別です。
商品的に赤字ですから、売れれば売れた分だけ会社は損するわけです。
損を覚悟で売り続けているけど、でも、正直言えば、あまり買って欲しくない。
他の商品で、必死によっちゃんイカの赤字分をカバーしているのに、
赤字商品の売上が伸びてしまうと、カバーしきれなくなってしまうのです。


それに、ここまで取り上げられて、持ち上げられちゃうと、
どうでしょうか、今さら値上げや量の調整は難しいのではないでしょうか。
もし、いよいよ限界になって値上げでもしようなら、マスコミやネットで、
「よっちゃんイカ。 おまえもか」
「よっちゃんイカ値上げ。 子供たち、ションボリうなだれる」
「大人は皆、おんなじだ! 子供たち、怒りの声の抗議文」
きっと取り上げられてしまうことでしょう。


「お願い、買わないで。もう、これ以上買わないで」
会社としては身を切られる思いで売上の推移を見守っているはずです。

今以上、記事やネットで騒がれて「頑張れ、頑張れ」の意見が多くなると、
よっちゃんイカの「値上げしない」という好意はあだとなって、
残念ながら、会社は瀕死の状態に陥ってしまうのです。
posted by 貞吉 at 18:30| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめてコメントさせていただきます。
とってもおもしろいブログで…小一時間過去の記事に没頭してしまいました(苦笑)
次の更新楽しみにしております!!
Posted by ひまわり at 2008年07月07日 21:45
小一時間ですか。苦笑いですか。そうですか。
人生の中の貴重な1時間を無駄に過ごさせてしまって、
悪気はないとはいえ、心からお詫び申し上げます。
失業したらまた毎日更新できますので、楽しみに待っててください。
Posted by ★ Toひまわり 貞吉 at 2008年07月09日 00:35
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