2014年12月30日

ビフォー・アフター

所ジョージさんが司会を務めている息の長いTV番組『ビフォー・アフター』。
番組の制作側としては、いわく付の家を求めます。
普通の家をリフォームして放映しても、おもしろくもなんともないからです。

リフォーム前と、リフォーム後のギャップ。
「えっ、あの家が、こんなに? まったく別の家みたい」
ここまでいくと、リフォームというより、建て替えの感が強いですが。

リフォームする前の家なんですが、
ここの家族は、本当にこの家で、長年暮らし続けてきたのかと疑いたくなります。
たとえば底が抜けそうなベランダや階段。
危ないから、すぐに修理しないと、そう思うことはなかったのでしょうか。
「小出しにあっちこっち修理しないで、お金を貯めて、一気にリフォームしよう」
そんな計画を持って、我慢を続けてきたのでしょうか。

リフォームの前に、現状紹介のナレーションが入ります。
「便座に座ると、板の隙間から通学路を行きかう小学生と目が合ってしまうことも。
家が傾いているため、目が覚めると家族全員が壁側に折り重なってしまいます。
ガスコンロの火は隙間風で知らぬ間に消えていることがあります。
風の通りがよいこともあり、中毒の心配のないことが救いでした。
ベランダはシーソー状態。ベランダの左に行くときは、
家族の誰かに右で重しの役をしてもらわなければなりません。
夜、不意の訪問者があると、玄関が脱衣場を兼ねているので、大騒ぎになることも。
こんな家を今回は空間のバチスタ手術師と呼ばれる匠の………」
せめて5つぐらいは、どんでもない問題を抱えていないと、採用されません。


さて、私が心配するのは、匠にリフォームされた、カラクリ屋敷みたいな家は、
ローンに窮して、やむにやまれず売りに出したとき、果たして売れるのでしょうか。


託された不動産屋さんは、大変な苦労をされると思うのです。
「この廊下の壁、子供の落書きですか? これって消していただけるんですよね。
えっ? 消せないって、なんでですか? プリント? あえて、そうした?」
「うわー、びっくりした。この壁、動くじゃないですか?
えっ? この家の、ほとんどの壁が動く? うそっ、階段まで、動いちゃうんですか?」
「この箱をどんどん積み重ねていけば、部屋の間仕切り? 危なくないですか?」
「すいません。ここのドア、押しても引いても、横に引いても開かないんですけど。
どうやって開ければ? えっ? 横の紐を引っ張ると上に持ち上がる?」
「このボタンを押すと、こことここの壁がせり上がって、露天風呂ふうに?
うわっ、本当だ。でも、全開にしたら大変じゃないですか。外から丸見えですよ。
人の気配がしたら閉めれば………って、閉まるのにえらい時間がかかるじゃないですか」
「ここを引っ張り出して、90度横に倒せば、その時奥に棒が見えるはず?
その棒を出して、どんどん刺して、そして元の水平状態に戻せばテーブルに?
いいですよ、こんな手間かけてテーブル作るなら、買ったほうが早いですから」
「このチョロチョロ流れ続ける水の音、心を癒すとおっしゃいましたけど、
人によりけりじゃないんですか? 私はイライラさせられるんですけど」
「なんで1つのトイレに出入り口が3ヶ所もあるんですか?」
「なんですか、これ? 茶碗の破片が壁にめりこんじゃってますよ。
前に住まわれていた、おバアちゃんが大切にしていた瀬戸物?
それを、おジイちゃんとケンカしたときに、思わず投げつけて割ってしまった。
そのかけらをおジイちゃんが亡くなった後も、ずーっと大事に………。
知りませんよ、そんなの。どうでもいいですけど、取ることは出来るんですか」
「あんな高いところに埋め込み式の照明があるんですけど、
あれって、電球が切れた場合、どうやって交換するんですか?」
「ベッドの蒲団をこのベルトで縛って、ロックを外してクルリと半回転させれば畳敷きに?
あぁ、そのためにわざわざ床を半円に掘り下げたわけなんですね。
………なんだか、お岩さんが縛られた戸板みたいで怖いんですけど」

「………家の使用説明書って? そうですよね。ないですよね。
あのぉ、普通の家でいいんで、他を紹介していただけませんか」
売れないと思います。潰しのきかない家です。


やれやれ、はいつくばっての1000回更新目指します。
posted by 貞吉 at 01:33| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする