2013年05月20日

原発附近の地下水

「現状を報告いたします。
原子炉建屋に地下水が入ってきて、ただでさえ処理に困っている汚染水が、
浸水してくる地下水のせいで、さらに増えてしまっているのが現状です。
今後、汚染水を増やさないため、建屋内に浸水し地下水が汚染してしまう前に、
地下水を海に放出してしまおう、そう考えている次第です」

そう、単純明快に聞かされれば、何の違和感も感じませんし、
おっしゃる通りですね、早くそうした方がいいんじゃないでしょうかと思うだけです。

その地下水は汚染されていないんですよね。
よその地方の地下水となんら変わりないんですよね。
だったら、処分場所の確保に頭を痛めているときに、
汚染水を、地下水でわざわざ増やさない方法を早く取るべきです。

こんな簡単な話が、
何故、マスコミに取り上げられ、大騒ぎになってしまったんでしょうか。

東電が、「福島県漁連の了解を取ってから」なんて言ったからではないでしょうか。
「私どもは、何をするにしても皆様の了解を得てからやっています」
そんなアピールをしておきたかった、というだけではないように思います。
地下水を海に放出した後、近海で何か予想もしなかった問題が発生した時に、
「あなたたちは、あの時、了解しましたよね。
だったら、最初から了解なんかしなければよかったじゃないですか。
了解がなかったら、私どもはポンプで海に放出するなんてことはしませんでしたよ」
更なる損害賠償の請求を避けるための、事前策なのでしょうか。

詳しく知りませんが、地下水って自然に川や海に流れていくものですよね。
県漁連が認めようが認めまいが、建屋に向かわない地下水は、
自然に海に流れて行くんですよね。
建屋に向かっている地下水を、建屋に入って汚染水になってしまう前に海に放出。
このことについては県漁連の皆様も異論はないと思うのです。

問題なのは、マスコミに取り上げられ、全国に知れ渡ってしまったことです。
放射線の影響は何もないにも関わらず、放射線に過剰反応を示す市民からは、
「東電が、また何かやらかすみたいだわ」
「そうそう、汚染水を海に放出するんですってね」
汚染水じゃなくて、汚染される前の地下水ですよ、と言ったところで、
放射線過剰反応組は聞く耳を持たないでしょう。

東電が国に、地下水は検査しました。安全性に問題はありませんので、
海に放出して、汚染水を増やさないように努めたいと考えています。
そう報告して実施すれば済んだ問題なんじゃないでしょうか。
ポンプを使おうが使うまいが、そんな方法論はどうでもいいんです。

ややこしいやり方で、説明不足から話がこじれ、
これだけマスコミに取り上げられてしまったら、この時点で、
県漁連が言う「風評被害」が、確定まちがいなしの状況になってしまったのです。
こうなってしまった以上、いくら「安全性に問題はない」と言われたって、
地下水を海に放出するという、人の目を引く行動を東電にやらせたくない。
そう県漁連の方たちが思うのも無理からぬことだと思います。

それに、東電の「安全性に問題はない」という大前提となっている発言でさえ、
果たして信用できるかどうか、大きなポイントになっていると思われます。
このことは今後、東電のやること全てに当てはまることかもしれませんが、
信用をなくすようなことを繰り返してきたわけですから、しょうがないでしょう。


決して、放射線に過敏ではない私ですが、ふと思ってしまったことがあります。
現状の地下水は「安全性に問題はない」 そうだとしても、
将来、地表に積もった放射線物質が雨などにより、地下水になるんですよね。
そうなったら、いくら建屋に進入する地下水を食い止めたとしても、
すでに近隣の地下水全体が汚染水になってしまっているわけで、
その汚染状態となった地下水が海に流れるのを防ぐのは、
さすがに東電でも無理なことではないんでしょうか。
そうなったら、お手上げ状態じゃないかと思うのですが。

原発問題を知識のない私がこのように、あれやこれや思う。
これが世間一般の原発問題に対しての考え方であるようにも思えます。
ふと思いつく市民の不安を、ひとつずつ丁寧に説明し、解消していく義務が、
東京電力にはあるはずです。
損害賠償すれば終わりではありません。忘れずに果たしていってほしいものです。
posted by 貞吉 at 21:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする