2013年03月25日

収拾のつかない話

「自分の携帯がおかしいのかどうか、家のその電話を鳴らしてみただけだ」

父親と母親は親戚の夫婦と旅行に行くことになっていました。その当日です。
旅行に出かける前の父親は用意周到です。携帯電話の確認さえ怠りません。
父親いわく、
昨日、用があって母親の携帯に電話をかけたら、何故かつながらなかった。
それをさっき思い出し、自分の携帯がおかしいのか、母親の携帯がおかしいのか、
確認するために、まず自分の携帯で家の固定電話にかけてみた。
この説明を母親にしたのですが、母親は全く理解できなかったようです。

「私の携帯はちゃんと電源入ってるわよ。ほら。でも鳴らなかったわね」
「だから、鳴らなかったのは昨日のことで、今、母さんに電話なんかしてないよ」
「なにかしらね。それより今、そこの電話、ならなかった?」
「だから、お前の電話がおかしいのか、私の電話がおかしいのか、
確認するために固定電話に携帯からかけてみたんだって」
「山崎さんが迎えに来るっていう電話じゃなかったの? しかし、早すぎるわよね」
「だから、違うっつーの」
「なんで? 山崎さん、迎えに来る前に電話を寄こすって、言ってたべした」

「10時くらいって言ってたんだべ。まだ8時過ぎなんだよ」
「そんなの分からないべした。10時くらいっていうのは8時からお昼くらいの間じゃないの」
「なんでもいいけど、電話は私がかけたんだっつーの」
「えっ、なんで? なに言ってるの? お父さんがなんで家の電話にかけるのよ。
家の中にいて、自分の家に電話するバカなんて、どこにもいないでしょ」
「だから、壊れてないかを確かめたくて、電話したんだっつーの。分からない人だな。
だいたいが、迎えに行くよという電話なら、1回ならしただけで電話を切らないだろう」
「そうなの?」
「そうなのって、普通、そうだろう」
「山崎さんが、そう言ってたの?」
「いや、そんなのは知らないけれど、普通はそうするはずだっつーの。
そんな、イタズラ電話みたいなことするわけないだろう。
ちゃんと、つながって、今から家を出るからとか、今ここを通過したとか、
何か言ってくるだろうが」
「いや、今の電話は山崎さんからよ」


ここで、サプライズが起きます。
この会話の最中で、この絶妙なタイミングで山崎さんがやってきたのです。
「随分早くなっちゃったけど、迎えに来た」
「………山崎さん。さっき、電話寄こした?」
「行く前に電話するって言ったこと思い出して、かけたんだけど、
もうすぐだからイイヤと思って、切っちゃったよ。なんで? 電話が鳴った?」
「ほら、お父さん、山崎さんだったじゃない。全くもう、わけの分からないことを言って」
「なんだい、山崎さんも電話をかけたんかい?」
「なんだい、山崎さんもって? ワシはすぐに切ったぞい」
「いや、昨日な、母さんの携帯にかけたらつながらなかったのさ。
それを、さっき思い出して、自宅の、この固定電話に、自分の携帯が悪いのか、
母さんの携帯が悪いのか、確認の意味でかけてみたわけよ」
「何を言ってるんか、さっぱりだけど、ワシがかけたのは、あんたの携帯にだよ」
「えっ? この固定電話じゃなくて、私の携帯にかけたのかよ」
「そうだ。登録してあったのは、あんたの携帯の番号だったから」
「おかしいな。私の携帯は鳴らなかったぞ。やっぱり私の携帯がおかしいのかな」
「いやいや、登録ボタンを押してはみたけど、すぐに切ったから、
呼び出し音が鳴ったかどうかまでは分からんよ」
「あなた本当に携帯にかけたの? 発信履歴で見たらいいじゃないの」
山崎さんの奥さんが加わってきます。
「なんだい発信履歴って」
「自分が、どこに掛けたか分かるでしょう。どれ、貸してみなさいよ」
「いいよ、触るなって。ここそとばかりに人の携帯を」
「なによ、発信履歴を見られてまずいことでもあるの?」
「あるわけねぇべした。なんもねぇけど、別にいいべ」

もう、話がグッチャグッチャになって、誰が理解しているのかいないのか。


どうでもいい話に、長らくお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
しかし、なんで、こんなどうでもいい話が、おもしろい具合に、こじれていくのでしょうか。
私、途中まではイライラして聞いていたのですが、
だんだん、展開が楽しくなってきたので、つい聞き入っていました。
posted by 貞吉 at 23:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする